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太陽光発電システム用バイパスダイオードテスタFT4310を発売。世界初!日光照射状態でも遮光不要の開放故障検出装置

FT4310

掲載日:2016年8月31日

 HIOKI(日置電機株式会社:長野県上田市、代表取締役社長:町田正信)は、「太陽光発電システム用バイパスダイオードテスタFT4310を2017年2月末に発売(予定)することとなりました。
 FT4310は、結晶系太陽電池ストリングにおけるバイパスダイオード検査装置で、これを用いれば昼夜を問わずストリング単位でバイパスダイオードの開放/短絡故障を検出することができるようになります。ハンディーサイズで、日光照射状態でも遮光不要のバイパスダイオード開放故障検出装置は、世界初となります。
 この商品の開発にあたっては、長野県工業技術総合センター(長野県長野市、所長:宮下純一)に研究内容の一部を委託して商品化を進めてまいりました。
 ※バイパスダイオード:発電した電流を、発電できなくなっている太陽電池を避けて流すための部品。
 ※ストリング:複数枚の太陽電池モジュールを直列配線し、まとまった電力量を発生できるようにしたもの。

■商品開発の経緯
 太陽光発電システムが普及し始めたころ、太陽電池はメンテナンスフリーと言われ、保守にお金をかける必要はないと思われていました。しかし、最近ではしっかりとメンテナンスしないと予定した売電収入を得られないと認識されつつあります。保守点検のガイドラインも徐々に整備されてきており、このガイドラインに基づいた点検が行われています。
 太陽光発電システムに搭載されているバイパスダイオードは、発電量の低下を防ぐという経済的な役割とともに、発電できなくなったセルの発熱を抑え、火災という最悪の状態を防ぐという安全上の役割を持った重要な部品です。ところが、バイパスダイオードの故障を簡単に検査する方法がないため、ガイドラインはいまだ整備されておらず、ほとんど検査されていないのが現状です。
 例えば、バイパスダイオードの短絡故障はIVカーブの測定や開放電圧の比較で検出することができますが、開放故障はこれらの方法では検出できません。そこで、簡便にバイパスダイオードの検査を行い、短絡故障、開放故障を素早く見つけることができる装置の開発を行いました。

■バイパスダイオードの役割
 太陽電池モジュールには、バイパスダイオードと呼ばれる部品が搭載されています。バイパスダイオードは、木や枝葉の影、ゴミや汚れ等の影などにより、発電できなくなっている太陽電池を避けて、電流を流す保護回路的なものとなります。

■主な使用用途
 ・太陽光発電システムの保守管理
 ・太陽光発電システムの設置工事 など

■製品の特長
1.夜間はもちろん、昼間でも遮光せず、バイパスダイオードの開放故障をストリング単位で検出可能
 測定対象となるストリングを系統連系から切り離すことで、日中でも遮光などの処置をする必要がなく、接続箱にて開放故障したバイパスダイオードを含む太陽電池ストリングを検出することができます。異常ストリングの特定を素早く行うことができます。
2. ストリングの配線抵抗を含むバイパスルートの抵抗が測定可能
 太陽電池ストリングの配線抵抗を含むバイパスルートの抵抗が測定できるため、バイパスダイオードの劣化(抵抗増加)や、モジュール間接続コネクタの接触抵抗の増加を検出することができます。
3.高精度直流電圧計で、クラスタ欠損やバイパスダイオードの短絡を検出
 バイパスダイオードが短絡故障すると、太陽電池の該当する部分が発電に寄与できなくなるため、出力電圧がその分低下します(おおよそ10V程度)。この10Vの差を検出することで、クラスタ欠損やバイパスダイオードの短絡故障を検出することができますが、1000Vシステムにおける10Vの差を確実に検出するため、高精度の直流電圧計を搭載しました。
 ※クラスタ:複数枚の直列接続された太陽電池セルの集まりで、太陽光発電システムの動作の最小単位となり、バイパスダイオードが並列接続されている。「PVクラスタ」と呼ばれる。

■価格
 未定



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