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世界初!ワイヤレス給電評価試験を完全自動化し測定の高い再現性を実現。WPT評価システムTS2400を発売

TS2400スタンダードセット

掲載日:2016年10月7日

 HIOKI(日置電機株式会社:長野県上田市、代表取締役社長:町田正信)はこのたびWPT評価システムTS2400を発売いたします。TS2400は、今後使用用途の拡大が期待されるワイヤレス給電の送電効率を評価するシステムです。これまでは評価を手動で行っていることから、測定の再現性や効率性といった観点で課題がありました。TS2400ではこの評価を自動化しますので、こうした課題を解決することができます。
 自動でワイヤレス給電を評価できるシステムは世界初となります。
 ※WPT:ワイヤレス給電

■ワイヤレス給電とは
 ワイヤレス給電は、金属の接点や配線を用いることなく電力を伝送する技術です。現在、コードレス電話や電動歯ブラシ、電気シェーバーなどでワイヤレス給電技術が利用されています。ワイヤレス給電技術により、これらの電気機器は、絶縁されているパッドの上に機器を置くだけで充電をすることができます。今後は多くの家電やモバイル機器の充電、電気自動車の駐車中充電などの用途に同給電技術が活用される見通しで、その用途は年々広がっていくものと見られています。

■ワイヤレス給電の評価上の課題
 ワイヤレス給電技術の原理は電磁誘導です。これは2つのコイルを使用し、一方のコイル(送信側)に交流電流を流して磁界を発生させることで、もう一方のコイル(受信側)に交流電流を発生させるものです。この受信側コイルで発生した交流電流により、各製品に搭載されているバッテリが充電される仕組みです。
 受信側コイルに発生する交流電流の大きさは、双方のコイルの向かい合う位置(相対位置)によって変わってきます。そのためワイヤレス給電技術を開発する各社は、双方のコイルをそれぞれ移動させながら、充電される度合い(送電効率)の評価を行なってきました。
 しかし、これまで各社で行なわれた評価方法は、コイルの位置の場所を定規で測るなど手動によるものでした。そのため、位置合わせの精度が悪く、測定の再現性が低いという課題がありました。さらに測定を手動で行なうことから、作業効率も悪いものでした。
 今回新たに発売するTS2400は、ワイヤレス給電の評価に必要な測定を自動化しますので、再現性と効率面での課題を解決することができます。

■使用用途
 ワイヤレス給電機器の製造会社(自動車、家電・モバイル機器メーカー)における評価試験

■TS2400の特長
1.評価試験の自動化により測定の再現性を実現、測定効率を大幅に向上
 評価ステージでは、移動ステージ(径900mm)に乗せた一方のコイルが立体的に移動します。移動ステージには、最大径800mmの大型コイルを載せることができ、1時間に最大3,000ポイント程度の測定が可能です。この移動過程で多点計測し、双方のコイルの相対位置と評価結果を記録していきます。これら評価試験の自動化により、担当者が手動で位置合わせをする必要がなくなり、測定の再現性を実現しました。さらに深夜に自動計測し、朝測定を終えるように設定することもできるため、評価の効率が大幅に向上します。
2.お客さまのニーズに基づき、4種類の特性データを自動生成
 双方のコイルの相対位置と複数の測定結果を統合し、測定を行いながらグラフを作成できる解析ソフトウェアをご用意しました。お客様のニーズに基づき、複数のグラフ表示が可能です。
 <ソフトウェアで作成できるグラフ例>
  ・2Dグラフ (X座標、効率)
  ・3Dグラフ (X座標、Y座標、効率)
  ・コンター図 (X座標、Y座標、Z座標、効率)
  ・スミスチャート
3.当社測定器と組み合わせ、多様な評価項目への対応が可能
 ワイヤレス給電の評価では、実際に電力伝送し詳細な解析を行なう電力伝送効率測定や、大電力を加えずに効率を算出する結合係数測定などが行われます。TS2400のラックには、パワーアナライザPW6001、インピーダンスアナライザIM3570を搭載できますので、これらの評価を高精度に、かつ自動で測定が可能です。また、ラックに磁界測定器やロガーなどの当社計測器を搭載することで、お客様の多様なニーズに基づく評価項目の測定ができます。



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