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フライングプローブテスタFA1816
掲載日:2019 年6 月10 日
HIOKI(日置電機株式会社:長野県上田市、代表取締役社長:細谷和俊)は、ベアボード※1のプリント配線(Printed Wiring)の検査を行う自動検査装置フライングプローブテスタFA1816を発売しました。
フライングプローブテスタFA1816は、水平型※2・2アームのベアボード検査装置で多品種・少量・短納期品の出荷検査に適しています。少ない検査ポイントでベアボードの良否判定ができる静電容量検査方式※3を採用しており、短時間で検査できます。
また、検査データ作成のオペレーションを刷新。従来機種(フライングプローブテスタFA1116-03)の操作画面やソフトウェアの見直しを行い、操作性を向上させたことで、オペレーターの負担を軽減しました。
■ 開発の背景
産業機器、車載機器などには、電子部品を搭載した状態のプリント配線板(PCB:Printed Circuit Board)が組み込まれており、機器を動作させたり、制御したりする機能を持つ非常に重要な役割を担っています。搭載する電子部品をきちんと機能させるために、ベアボードには高品質・高信頼性が求められています。
HIOKI は電気計測器メーカーであり、さまざまな計測器・検査装置をラインアップしています。これまで培ってきた高い技術力を自動検査装置にも生かし、ワンランク上の品質を提供してきました。
検査品質に定評がある一方で、データ作成などの操作をもっと簡便にしてほしいと求める声がありました。そのため、操作画面やソフトウェアの見直しを行い、操作性を向上させ、オペレーターの負担を軽減したFA1816 を開発いたしました。
■ 主な想定顧客
・プリント配線板メーカー
■ 特長
1. オペレーションを刷新、操作性が格段に向上
画面:必要な情報を一画面に集約。グラフィカルな画面で直感的に操作が可能です。
操作:ワークフローメニューを導入。検査データ作成はワークフローに従うだけの簡単操作です。
マスターデータ作成:従来は基本吸収、良品判断などいくつもの工程をオペレーターがそれぞれ操作し、良否判定の基準となるマスターを作成する必要がありました。FA1816 では、ボタン1 つで自動作成されるため、操作時間が短縮され、オペレーターの負担が軽減されます。
2. 静電容量検査方式による高速パターン検査
検査方式には「静電容量検査方式」と「抵抗検査方式」があります。FA1816 で採用している静電容量検査方式は抵抗検査方式に比べ、少ない検査ポイントで良否の判定ができます。そのため検査が短時間で済みます。
3. 打痕深さ1/2 を実現
検査はプローブ(検査針)をあてて行うため、ベアボードに打痕がついてしまいます。電子機器の小型化により微細化・高密度化したベアボードでは少しの痕でも大きな影響がでてしまいます。従来品のプローブでも打痕は小さかったものの、さらに縮小と深さの軽減を図るために、独自技術で開発した専用の高精度プローブCP1072 を使用できるようにしました。打痕深さが従来の1/2 になり、ベアボードへのダメージを最小限に抑えることができます。
4. 静電容量検査方式ながら低抵抗測定から高絶縁抵抗測定まで幅広い検査にも対応
これまで培ってきた低抵抗計や絶縁抵抗計の高い技術力を生かした、低抵抗測定や500MΩ/250V の高絶縁抵抗測定機能を標準搭載しました。これらの測定により、静電容量検査だけではわからないベアボードの潜在不良の原因となる事象の検出が可能になり、ワンランク上の品質を確保できます。
低抵抗測定によって微小な抵抗値変化を測定し、オープンビア不良を検出します。高絶縁抵抗測定では、パターン形状異常やパターン間に存在する不純物やボイドなどの影響による絶縁異常やアーク放電現象を検出します。
5. 新開発「プロセスアナライザー」(標準搭載)で不良解析
蓄積された検査結果データを一括で読み込み、簡単に統計データを作成できます。別途統計解析ソフトなどを使わなくても、各検査ステップの結果を値の推移、ヒストグラム、分布図などの形で「見える化」し、不良の解析を行えます。解析した不良内容を設計工程や製造工程へフィードバックすることで、歩留まりのよいベアボード製造に寄与します。
■ 価格(税抜)
FA1816:価格お見積り
※1 ベアボード:電子部品が搭載されていないプリント配線板(PWB:Printed Wiring Board)。
※2 水平型:ベアボードの設置向きのこと。検査台にベアボードを平置きするタイプ。
※3 静電容量検査方式:ベアボード上のパターン(銅箔などによる配線)は電気的に絶縁された検査用電極との間に、そのパターン面積に比例した一定の容量を持っている。パターンに短絡・断線などがあるとパターン面積が変わり、容量値が変化する。断線の場合は良品に対して小さい容量値が検出され、短絡の場合は他のパターンの容量が加えられて容量値が高くなる。
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