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国際会議IEEE SEFET 2025にてBest Paper Awardを受賞、電気自動車の走行時など、リチウムイオン電池の残量をリアルタイムかつ正確に推定する手法を提案

掲載年月日:2025年8月27日

日置電機株式会社(本社:長野県上田市、代表取締役社長:岡澤尊宏、以下「HIOKI」)の社員が、国際会議2025 IEEE 5th International Conference on Sustainable Energy and Future Electric Transportation (IEEE SEFET)においてBest Paper Awardを受賞しました。

「IEEE SEFET」は、「持続可能なエネルギー」と「未来の電動輸送」という、現代社会が直面する喫緊の課題に特化した国際会議です。世界的な電気電子技術の専門家集団である Institute of Electrical and Electronics Engineers (IEEE) が主催し、エネルギーと輸送分野における最新の研究成果や技術革新、そして未来の展望について議論する重要なプラットフォームとなっています。第5回となるIEEE SEFET 2025は、7月9日から12日まで、インドのジャイプールにあるMalaviya National Institute of Technology Jaipur (MNIT Jaipur) の Centre for Energy & Environment にて開催されました。

当社エンジニアのRahul Sarkerが受賞論文「離散Luenbergerオブザーバを用いた、動的負荷のもとでのBMSによる充電状態推定」を発表しました。この論文では、電気自動車のバッテリーマネジメントシステム(BMS)が、バッテリーの充電状態(SOC)をリアルタイムかつ正確に推定する手法を提案しています。この研究の特徴は、運転中の加減速による負荷変動やノイズが多い環境下においても、バッテリーのSOCを安定して推定できる点です。論文は、Rahul Sarker のほか、同じく当社所属の Christiaan Johannes Fourie および 森匠 との共著です。

(左)会場の様子 (右)Best Paper Award


受賞者のコメント
この受賞は、私のプロフェッショナルとしての道のりにおいて極めて意義深い節目です。今回の研究は、未来のバッテリー技術における実践的で影響力のある成果を示すものであり、その価値を改めて実感しました。今後もエネルギーと計測の分野における技術革新に貢献し、社会が直面する課題の解決に取り組んでいく所存です。

受賞者の紹介
事業推進部 バックエンドエンジニアリング課 Rahul Sarker
既存製品の製品評価テストや設計変更の一部を担当、また、将来に向けた技術ギャップの調査や新製品開発にも携わる。


受賞者のRahul Sarker


Institute of Electrical and Electronics Engineers (IEEE)電気工学、電子工学、情報工学、そして関連する広範な技術分野において、世界最大規模で最も権威のある非営利専門家組織。160以上の国と地域に40万人を超える会員を擁し、人類社会の発展に貢献する技術革新を使命としています。

BMS (Battery Management System)リチウムイオン電池などのバッテリーを安全かつ効率的に運用・管理するための電子制御システム。

SOC (State of Charge)バッテリーの充電状態を示す指標。

Luenberger オブザーバアメリカの制御工学者 David G. Luenberger によって提案された手法。制御工学において、システムの内部状態(例:バッテリーの充電状態など)を推定するための数学的な技術。

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