アプリケーション・用途

端子台の無線化で配線工数を大幅に削減する最速1msの高速データロガー

HIOKI(日置電機株式会社)は2019年12月、電圧・温度・抵抗・ひずみの測定が可能で、最大330Chまで拡張可能な高速データロガー「メモリハイロガーLR8450, LR8450-01」を発売した。

メモリハイロガーLR8450-01には以下に示す代表的な特長がある。

  • 端子台を無線化したため、熱電対やひずみゲージの配線工数を大幅に削減できる。
  • 最速1ms(1000回/秒)でサンプリングするので数十Hz程度の動ひずみ測定が当社データロガーで初めて可能になった。
  • ブリッジボックスを端子台に内蔵したため、ひずみ測定の際に外付けのブリッジボックスが不要になった。
  • ノイズ影響を大幅に減少させたため、バッテリーやインバーター周辺の温度を安定して記録することができる。

  それぞれの特長について、以下に説明を加える。

端子台を無線化 配線工数を大幅に削減

温度測定や、動ひずみ・静ひずみ測定では、100本を超える本数の熱電対やひずみゲージを使う場合がある。本体に端子台が付いている従来のデータロガーでは多くの本数のひずみゲージや熱電対を、長い距離を引き回して端子台に接続する必要があった。配線・接続に工数がかかるのと、長い距離の引き回しを行うとノイズの影響も顕著であった。

メモリハイロガー LR8450-01 の無線ユニット(端子台)は、測定ユニットと本体間を無線LANでデータの欠けなく通信できる。また無線ユニットの電源はバッテリおよびACアダプタで供給できる。端子台をワイヤレス化することにより、配線工数の削減と、ノイズ影響の低減を可能にする。

データロガーで動ひずみ測定が可能に・・

いままでデータロガーでひずみ測定を行う場合、ほとんどの測定は静ひずみ(変位)を測定する場合に適用していた。その理由はサンプリングスピードが0.1秒(10回/秒)程度であったためである。0.1秒のサンプリングスピードでは、静ひずみ程度しか記録できず動ひずみ(振動など機械的な動き)を測定できない。それゆえ、もっと高額な測定器を購入する必要があった。

メモリハイロガー LR8450 はデータロガーでありながら、1ms(1000回/秒)のサンプリングスピードを実現し、動ひずみ測定の領域にデータロガーとして初めて踏み込んだ画期的な製品だ。

ブリッジボックスが不要

ひずみ測定では、ある一方向の伸びや縮みを測る場合はひずみゲージを1枚を使用するが、温度影響をキャンセルするほか、曲げやねじりを測る場合や、荷重や圧力、加速度を測る場合には2枚以上のひずみゲージを使う。
ひずみゲージの微小な抵抗変化を、大きな電圧変化として取り出す役割を持つのがブリッジボックスである。

メモリハイロガー LR8450 の ひずみユニット U8554 と ワイヤレスひずみユニット LR8534 は、このブリッジボックスを内蔵し、1ゲージ法、2ゲージ法、4ゲージ法の各種ひずみゲージの貼り方に対応しているほか、荷重や圧力、加速度などの各種変換器に対応できる。
またLR8534により無線化されるため、ひずみゲージの配線を短くできるため、温度やノイズの影響を低減させることができる。

ノイズ影響を大幅に減少 インバータやバッテリーの温度を安定して記録

インバーターやバッテリー、ダイナモなど高電圧、高周波が発生している周辺熱電対による温度測定では、ノイズの影響を受けやすく、従来のデーターロガーによる温度測定は、値がシフトしたり、大きく変動をすることもあった。

メモリハイロガー LR8450 は従来機種よりノイズの 影響を大幅に低減し、安定した温度測定を実現する。

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