アプリケーション・用途

IEC 61934 インパルス電圧による部分放電(RPDIV)自動試験

従来のインパルス試験器では、”IEC 61934” の内容に沿った、部分放電(RPDIV)の自動試験が困難です。無償ソフトの”Sequence Maker”(Excel アドイン)により、短時間でプログラムを作成し、自動試験が可能になります。

課題

"IEC 61934" の試験手順は以下の通りです。

・部分放電が検出されない最小と、必ず検出される最大の試験電圧を決める
・同じ試験電圧で複数回の印加を行い(例えば10 回)、試験電圧を上げて行く
・最初に部分放電を検出したインパルス電圧をPDIV とする
・10 回中、5 回検出したインパルス電圧をRPDIV とする
・最大試験電圧から最小の試験電圧まで下げて行く
・5 回検出した最小のインパルス電圧をRPDEV とする
・検出されなくなったインパルス電圧をPDEV とする

従来のインパルス試験器では、”IEC 61934” の内容に沿った、部分放電(RPDIV)の自動試験が困難です。

解決策

"Sequence Maker" (Excel アドイン)で、"IEC 61934" の試験手順が実行できるシーケンスをプログラムし、インパルス試験器ST4030A を制御しました。ボタン操作の順番で、ボタンに対応したコマンドを並べて行き、データ受信のコマンドを実行すればExcel にデータが受信できます。短時間でプログラムが作成できます。(Fig.3 およびFig.4 参照)

実測データ

実測した結果、PDIV = 1700V , RPDIV = 2150V , RPDEV = 2100V , PDEV = 1950V でした。

試験電圧は100V刻みで一度設定しましたが、結果として刻みが粗かったようです。PDIVを検出することなく、いきなりRPDIVを検出してしまう事象がありました。部分放電(PD)のしきい値は σ≧ 6 としました。
グラフにしたものを Fig.5に示します。

まとめ

● ”Sequence Maker” により、”IEC 61934” 記載の試験手順にしたがって、PDIV, RPDIV, RPDEV, PDEV の各インパルス電圧値の
自動測定が可能になります。
● ”Sequence Maker” は Excel アドインなので、コマンドの使い方を覚えるだけで簡単にシーケンスプログラムが作成できます。

本アプリケーションのご注意点:

・本アプリは ST4030 および ST4030A の制御が可能です。
・ST4030 および ST4030A のファームウェアはバージョンアップが必要です。
・Sequence Maker は下記サイトより無償にて提供しています。
 Sequence Makerのダウンロードはこちら
・Sequence Maker の取扱説明書もサイトよりダウンロード可能です。
・サンプルプログラムが必要な場合は弊社営業員を通じご依頼ください。

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