アプリケーション・用途

電気絶縁材料の比誘電率・誘電正接の温度特性試験

測定のポイント

誘電正接 tanδ とは、電気絶縁材料の状態を数値で表す指標です。絶縁体に交流電圧を印加すると、電気エネルギーの一部が熱エネルギーとして損失される誘電損(または誘電損失)が起こります。tanδは、この誘電損の度合いです。tanδは印加する交流周波数と温度・湿度に依存性があります。インバータやコンバータ、モータ用の電気絶縁材料には、スイッチングされた電圧がかかります。そのため、スイッチング周波数相当のtanδ試験が欠かせません。またEV車用モータやパワーモジュールは、低温から200℃を超える使用環境が想定されるので、電気絶縁材料のtanδ-温度特性試験が重要になります。

課題

電気絶縁材料などの高インピーダンス素子の測定には、主電極と対電極構造の電極を使用してtanδを測定します。この試料用電極には、浮遊容量や誘導ノイズの影響を軽減させるためのガード電極と、遮蔽機構があります。JIS C 2138 や IEC60250 などの一般的な電気絶縁材料の誘電正接や絶縁抵抗測定は、試験環境温度が20℃ または23℃のため、このセットで準拠した試験が可能です。しかし、ASTM D150などでは温度依存性を試験するため、この試料用電極では試験温度に耐えられない場合があります。

解決策

KEYCOM社(https://www.keycom.co.jp/ndex-j.html)の静電容量方式 比誘電率・誘電正接 測定用電極は、低温から高温のtanδ測定を実現します。測定試料は電極との組み合わせにより、平面板、液体、ジェル、フィルム(シート)に対応できます。(右上図 参照)恒温槽や熱衝撃試験機を使うと、比誘電率・誘電正接 の温度特性試験が可能です(右下図参照)。また、KEYCOM社では自動測定を実現する測定システムの提供が可能です。対応規格は ASTM D-150, JIS C2101, JIS C2141, JIS C 6481, JIS K6911, JIS C 2111 28.1.2 (B 法)などが上げられますが、規格を指定すれば他の規格にも対応できます。

まとめ

静電容量方式 比誘電率・誘電正接 測定用電極は、低温から高温のtanδ測定を実現します。詳しくはキーコム株式会社にお問合せください。

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