アプリケーション・用途

PINダイオード高周波順抵抗の測定

概要

次世代無線通信5Gの普及が急速に進んでいます。5Gは低遅延の通信や多ノード接続が特長です。自動車の車両間通信VX2のような高速通信の用途が増えています。
高速の信号を扱う回路に欠かせない部品のひとつに「PINダイオード」があります。PINダイオードはPN接合の間にI層(Intrinsic Layer)を挟みこんだ半導体です。P型、I層、N型のそれぞれの頭文字をとりPINと呼んでいます。
PINダイオードには次のような特性があります。
・端子間容量が非常に低く、高速信号の伝送に影響しない
・順電圧をかけ順方向電流が流れると可変抵抗として動作する
これらの特性から、AGC (Auto Gain Control) 回路や高速信号の送受信切り替え、スイッチ動作に最適な部品です。

測定例

PINダイオードは、順電圧をかけ順方向電流が流れると可変抵抗のように動作します。その特性を、高周波順抵抗と呼びます。データシートでは「Rf」と表現されることが多いです。高周波順抵抗 Rf は、一般的に直流電流を流した状態で100 MHzで測定します。

バイアスティーは右図のように接続してください。
直流電源からの直流電流がIM7581へ流れ込まないようブロックします。また、IM7581の測定信号100 MHzが直流電源へ流れ込まないようにバイアスティー内のチョークコイルでブロックします。バイアスティーにより、PINダイオードに直流電流を流しながら100 MHzで高周波順抵抗を測定できます。

実測データ

インピーダンスアナライザ IM7581-01で、PINダイオードの抵抗測定をしたデータを以下に示します。



【測定時の注意点、およびバイアスティー選定のポイント】


・バイアスティーや電源を含みOS補正する

・補正するときの直流電源は0.00 A出力の状態とする

・電源は0.00 A出力の状態とする

・測定周波数付近でバイアスティーの周波数特性がフラットである機種を選定する

・経路抵抗や接触抵抗に流れる電流による発熱に注意する

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