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アプリケーション・用途
電気自動車 (EV)の普及が加速するにつれ、ディーラーや整備工場に整備、点検、修理などのメンテナンス作業の要求が増えています。一方、近年のEVは高電圧化が進み、安全なメンテナンス作業のためにいくつかの注意が必要になります。 このアプリケーションノートでは、メンテナンス作業者が安全に作業するために求められる電気試験について説明します。
損傷や熱による変形、腐食、変色など異常がないか目視で点検します。
モーターの不備が確認できるDTC（Digital Trouble Codes）スキャンを実施してください。
電気的な測定を始める前に、サービスプラグまたはスイッチを外して、車両の高電圧バスを必ず遮断*1してください。
*1 高電圧部品の取り外し作業は労働安全衛生法が定める危険業務に該当します。 専門の教育を受けた有資格者が作業をしてください。詳細は、各メーカーの作業マニュアルに従ってください。
高電圧バッテリーの表面温度を非接触温度計で測定します。 この検査では、温度のばらつきや高温になっている箇所がないかを確認します。
放射温度計 FT3701
作業者の感電防止のため、そして高電圧が正しく遮断していることを確認するため、車両が無電圧（ 0 V）であることを測定します。
作業するときに触る可能性がある各部と、車両のシャシーグランド間の電圧を測定し、0 Vであることを確認します。
デジタルマルチメーター DT4261
無電圧を確認した後、高圧ケーブルを取り外します。そして、高圧システムにたまった電荷が放電するまで、10分以上待ちます。作業者の感電事故を避けるため、一定時間の放電待機が必要です。
放電時間は車種により異なりますので、自動車メーカーにお問い合わせください。
高圧ケーブルを取り外した後、電圧が遮断されていること（0 Vであること）も確認します。
高圧部品の取り付けや交換をした後、この試験を実施します。すべてのシャシー、シールドなどの部品が正しく等電位接続されていることを確認します。車両のシャシーと高圧部品が接続されている箇所と、接地間の抵抗を測定します。もし抵抗値が高ければ、高圧部品の取り付け不良が考えられます。
抵抗計 RM3548
*2: Safety standard for electric powertrains of road vehicles includingrechargeable battery systems.
高圧システムと接地間の絶縁不良がないことを確認します。試験箇所は、高圧ケーブルのバッテリー側のコネクターとインバーター側のコネクターです。それぞれのコネクターの端子と車両のシャシーグランド間の絶縁抵抗を試験します。試験電圧は、車両のバッテリー電圧より高くなければなりません。試験電圧は車種により異なりますので、自動車メーカーにお問い合わせください。
絶縁抵抗計 IR4059
車両の修理、点検が完了したら、高電圧を復帰させる前に、バッテリー側とインバーター側で無電圧測定をします。
高圧ケーブルを接続し、サービスプラグまたはスイッチを取り付けて、車両の高圧システムを通電状態に戻します。
