アプリケーション・用途

スラリー・界面抵抗のパーコレーション現象を簡便に定量評価

各種材料のR&Dにおいて、固体マトリックスでのパーコレーション現象の分析結果が活用されています。リチウムイオン電池のR&Dにおいても、電極シートの合材層抵抗や界面抵抗、さらに上流であるスラリーの抵抗について、このパーコレーション現象を評価することで、電池材料の最適化、ひいては工数削減をはかることができます。
HIOKIのスラリー解析システムとRM2610電極抵抗測定システムは、スラリーの抵抗や電極シートのパーコレーション現象を簡単に短時間で評価することができます。

◤ 従来測れなかったスラリーの抵抗を定量評価し、電池材料の最適化を実現

これまで、界面抵抗やスラリーの抵抗を測定することはできませんでした。そのため、セルの性能から逆算して最適化しなければならず、大変な工数が必要でした。
HIOKIスラリー解析システムとRM2610電極抵抗測定システムを用いることで、従来できなかったスラリーの抵抗、電極シートの合材層抵抗・界面抵抗の定量分析ができ、電池材料の最適化に向けた評価が効率的にできます。


◤ スラリーのDCR・Rratio、電極シートの合材層抵抗・界面抵抗の実測データ  

三元系正極材(NCM)、アセチレンブラック(AB)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる正極を作成し、ABの濃度を変えたサンプルについて各種測定を行いました。
スラリーの直流抵抗(DCR)でパーコレーション現象が確認されると同時に、Rratio(導電助剤の抵抗比率)も上昇しているため、良好な導電パスができていると考えられます。(スラリー解析システムの指標についての詳細説明はこちら。)また、スラリーのパーコレーションしきい値(固形分中の導電助剤比率2%)周辺で、電極シートの合材層抵抗および界面抵抗が最適化できることが読み取れます。特に界面抵抗については、導電助剤比率を上げても抵抗がほとんど変化しないことから、単に導電助剤の濃度を上げればよいわけではないことが明らかとなりました。
これらから、添加すべきABの下限値を上流工程で定量的に推定できることが示唆されました。



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