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データロガーとは(データロガーの使い方)

多チャネルデータロガーの概要・用途と測定するうえで入力できる信号の解説、持ち合わせている必要がある機能などの解説です。

01. データロガーとは (データロガーの概要)

データロガーの用途

データロガーとは、信号記録をデジタル処理して記憶する観測装置のうちのひとつですが、最速100回/秒(100Hz)もしくは1,000回/秒(1kHz)のサンプリングスピードのため、メモリハイコーダやオシロスコープに比べると遅い事象の信号観測に向いています。

電圧レベル変動や温度観測が主たる用途ですが、他の観測装置に比べると低コストで100チャンネルを超えるような多くの信号を入力できるのが特長です。

データロガーの外観

データロガーの外観を図1−2に示します。信号入力用の端子台を持ち、入力した信号はA/D変換されて、本体内蔵メモリもしくはSDメモリカードやUSBメモリにデータが記録されます。

入力されたデータはグラフや数値でリアルタイムに表示確認できるほか、記録中に過去データを閲覧することも可能です。

LANやUSB接続されたパソコンでは、複数台のロガーの制御と記録・データ転送が可能になります。

データロガーの入力部仕様

データロガーでは以下の信号入力が可能です。(LR8450の場合)

■ 直流電圧 (最大100 V まで)
  信号変換器など出力信号、バッテリーセル電圧など
■ 直流電流
  250Ω抵抗を外付けすることにより、4-20 mA などの計装信号出力を 1-5 V信号に変換して入力
■ 熱電対 (熱電対種類:  K, J, E, T, N, R, S, B, C)
■ 白金測温抵抗体 (白金測温抵抗体種類: Pt100, Pt1000,JPt100)
■ 抵抗 (200Ωまで)
■ 湿度 (専用センサ使用)
■ パルス (積算および回転数測定に対応)
■ デジタル (記録間隔ごとに0か1を記録)

02. HIOKIデータロガーの特長

入力部の絶縁と高耐電圧仕様

図2-1のようなバッテリーが直列に並んでいる回路において、各バッテリーの電圧を測定する場合、各チャンネルが電気的に絶縁されていることが重要になります。

同じようにデータロガーに入力したい信号間に電位差があると、正確な測定ができません。

HIOKIのデータロガーは半導体リレーで各チャンネル間を絶縁しています。

また図2-1の図において、CH15にはバッテリーを直列接続した合計の電圧が対地間電圧となりかかります。

HIOKIデータロガーは高い対地間電圧に耐えうる仕様になっています。

耐ノイズ性能

データロガーを使用する環境や測定対象により入力信号線や電源ラインを通して、インバータ等のスイッチングノイズや電源のハムノイズの影響を受け、正確な測定ができないケースが多くあります。

HIOKIデータロガーは、オーバーサンプリングによるデジタルフィルタ機能によりノイズ影響を減少させた正確な記録が可能です。

内部メモリと保存メディア

HIOKIデータロガーはデータロガーの内部メモリと、USBメモリやSDメモリカードなどの保存メディアにデータを保存することができます。

長時間に渡る測定では容量の大きいメディアへの記録が便利です。

図2-3は記録間隔(サンプリングスピード)とデータ容量および記録可能時間を表にしたものです。

一時的にUSBメモリやSDメモリカードを外しても、データロガー本体でデータをバックアップしているため、記録を止めずにデータを取り出すことが可能です。

パソコン計測とアプリケーションソフトウェア

USBもしくはLAN接続されたデータロガー合計5台を標準付属のアプリケーションソフトウェアLogger Utilityで一括設定制御・データ観測&転送・解析ができます。


データロガーのネットワーク機能

データロガーにアクセスできるLAN環境を構築すれば以下のデータロガーが持つネットワーク機能を利用することができます。

■ HTTPサーバ機能
データロガー本体と同じ画面をブラウザで見ることができるほか、ブラウザでリモート操作ができます。

■ FTPサーバ機能
記録データを転送させることができます。

■ FTPクライアント機能
測定中の記録データを定期的にFTPサーバへ送ることができます。

■ E-Mail
データロガーの状態や警報発生などをメール送信します。

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