■新搭載機能の特長
1. インバーターの規格認証支援
太陽光インバーターには、世界各国でそれぞれの規格により認証試験が定められています。今回の機能追加では認証試験で必要とされる、IEC の測定規格に沿った高調波や中間高調波*1、フリッカー*2 といった複雑な演算に対応しました。
*1 高調波、中間高調波:交流の電圧や電流に含まれるノイズの一種。エネルギー損失の原因となり、最悪の場合機器の故障や火災につながるおそれがあるため、インバーター出力において抑制が求められる。
*2 フリッカー:交流電圧における断続的な微小変動。照明機器のちらつきを引き起こす。
2. 多系統同時計測を可能にする光リンクインターフェイス*3
太陽光インバーターの方式のひとつであるMPPT *4 では、最適な制御条件を求めるために接続されている全系統の電力を同時に計測する必要があります。光リンクインターフェイスは、2 台のPW8001を連結して最大16 チャネルの同時電力計測を可能にします。多系統を同時計測し、インバーター開発者が後から計測データを統合、解析する作業負荷を軽減します。
*3 PW8001-04、PW8001-05、PW8001-06、PW8001-14、PW8001-15、PW8001-16 のみ
*4 MPPT(Maximum Power Point Tracking):太陽光インバーターの方式のひとつ。太陽光パネルの出力特性に合わせて発電量を最大化するため、日射量に応じた制御を行う。
3. パワースペクトラム解析による電力変換損失の詳細な解析
太陽光、EV のインバーターでは直流電力を交流電力に変換する途中で、電力損失が発生します。周波数解析は、この損失がどこでどのように発生しているのかを知る有効な手掛かりとなります。PW8001の周波数解析はこれまで電圧と電流のみでしたが、当社独自の解析機能であるパワースペクトラム機能の追加により、電力の周波数解析が可能になりました。
■主な用途
今回の追加機能は、太陽光発電システム、e-モビリティ、インバーター市場のパワーアナライザユーザーに、以下のような用途による新しい価値を提供します。
・太陽光発電システムの規格適合試験
・MPPT 方式インバーターの効率計測
・多並列インバーターの同時計測
・パワースペクトラム機能によるインバーター損失評価と解析
■年間販売目標台数(国内外)
PW8001 シリーズ 1000 台/年
■提供開始日
2024 年 1 月31 日
■価格と製品一覧
PW8001 シリーズは搭載機能のちがいによって計12 機種のラインアップをご用意しています。このうち6機種 は、今回の光リンクインターフェイス機能追加により新たに発売となりました。
IEC の測定規格対応、パワースペクトラム解析は12 機種すべてに搭載されます。
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