アプリケーション・用途

モーターの相電流、トルクリップル、振動の相関が見えるメモリーハイコーダ MR6000

トルクリップル、相電流、誘起電圧を同時測定し振動、騒音対策をもっと効率的に!

近年、EV をはじめとする自動車に搭載されるモーターの高品質要求が高まっています。例えば、電動パワーステアリング用モーターにトルクリップル(リプル、脈動)があると、操舵時にハンドルが振動し運転の不快感につながります。このように、モーターのトルクリップルは騒音や振動の原因となるため、低減に向け様々な対策や研究が行われています。トルクリップルは多くの発生原因があり、モーターの構造設計や制御技術による抑制手法が提案されていますが、いずれの場合もトルクリップルを測定し評価することが解決への糸口となります。
このアプリケーションノートでは、メモリーハイコーダMR6000を使用した測定実例を交え、モーターの騒音や振動対策に効果的な測定方法をご紹介します。

モーターの振動や騒音の対策中に、このような困りごとはありませんか?

・トルクリップルを抑制したが、振動や騒音の低減に寄与しているのかわからない。
・振動、トルクリップルに加えて、電気信号(相電流や誘起電圧)を同時に測定したい。
・測定機器が多数必要となり、測定準備が大変。

◤ HIOKI が提供するソリューション!!

HIOKI メモリハイコーダMR6000 と多様なユニットにより、振動やトルクリップル、相電流、誘起電圧などの多現象を同一時間上で観測できます。多現象の同時測定による各現象の相関関係の確認やFFT 解析により、モーターの振動や騒音の原因究明につながります。


IPSM トルクリップル、相電流の波形観測



◤回転角- トルク、回転角- 相電流の波形観測

レゾルバやロータリーエンコーダーから出力される回転角測定機能とX-Y グラフ機能を用いることで、モーターのトルクリップルと振動、電気パラメータ(相電流や誘起電圧、モーター効率など)との相関の評価ができます。

【測定および評価できる項目】

・電気角、機械角一周期のトルクリップル、振動、 相電流、誘起電圧の測定・評価
・波形演算機能を用いたトルクリップル率の評価

振動- トルク、相電流の相関評価FFT 解析



モーターの通電(基本波周波数20 Hz)によって、12 次成分の240 Hz にトルクリップルがPeak にあられていることがわかります。また、トルクリップルに起因して振動の240 Hz にPeak が現れていることがわかります。このように、相電流によってトルクリップルが発生し、振動が発生していることをMR6000 一台で評価することができます。
トルクリップル低減のために、高調波電流印可による低減方法を検討する場合などにおいて、相電流とトルクリップル、振動の同時解析は効果を発揮します。

【測定および評価できる項目】

・コイルへの通電により発生するトルクリップルと振動の相関関係の評価
・振動や騒音の状態と、原因であるトルクリップル、相電流を同時に解析

測定環境

主な使用製品

・メモリハイーダ MR6000  記録
 アナログユニット U8975     回転角測定
 チャージユニット U8979     トルク、振動測定
 3CH 電流ユニット U8977    電流測定
・AC/DC カレントプローブ CT6841A(20 A) / CT6843A(200 A)   相電流測定
・加速度ピックアップ(他社製品) 振動測定
・トルクセンサ(他社製品)  トルク測定    帯域:6 kHz

モーターベンチでの解析にMR6000

メモリハイコーダMR6000 は、最高200 MS/s の高速サンプリング、多チャネルかつ長時間記録ができる波形記録計です。豊富な入力ユニットを取り揃え、従来複数の計測器を組合せ測定していたモーターベンチの解析においても入力ユニットの組み合わせで、相電流、トルク、振動などを1 台で同時に測定できます。さらには取り込んだ信号をFFT 演算機能により周波数解析ができます。

【測定項目および機能】

・回転角測定
・チャージアンプを用いた振動測定
・多チャネルでトルクリップル測定と誘起電圧、相電流などを同時に測定
・波形演算機能でトルクリップル率算出
・FFT 解析機能
・X-Y グラフ機能

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