資料ダウンロード
カタログ、技術資料、アプリケーションなどの資料はこちら。会員登録するとより自由にダウンロードいただけます。
サポート情報
会員サービスやセミナー、FAQなどのお客様のお役に立つ情報をまとめています。
購入・レンタル
購入・レンタル・見積もりのご案内です。
購入時のご注意事項
アフターサービス
製品をご購入後のお客様にむけて、アフターサービスと製品の保証に関する情報をご紹介します。
企業情報
HIOKIは世界に向けて計測の先進技術を提供する計測器メーカーです。
サステナビリティ
すべてのステークホルダーの皆さまとともに発展していくための、様々な取り組みをご紹介します。
IR情報
株式情報、財務・経営情報を掲載しています。
採用情報
新卒・キャリア採用についてはこちらをご覧ください。
お問い合わせ
アプリケーション・用途
モーターの回転子(ローター)とd軸、q軸の関係
モーターパラメーターLdとLqとは、モーターの回転磁界に関連するq軸およびd軸のインダクタンスを指します。永久磁石同期モーター(PMSM)や同期リラクタンスモーター(SynRM)のベクトル制御に必要なパラメーターです。
これらのLdとLqの基本的な違いは永久磁石の配置や、モーターの構造の違いが影響を与えます。さらに、LdとLqは駆動電流の増加によってインダクタンスが低下するという電流依存性があります。PMSMとその制御システムの開発者にとって、正確で効果的なモーター制御を達成するのが目標です。そのためにはLdとLqの電流依存特性を理解することが不可欠です。
電流依存性のあるd軸とq軸のインダクタンスの例
パワーアナライザはモーターの電力効率の測定に加え、LdとLqの測定に必要な高確度なセンシングと演算能力をもっており、ほかの計測手法よりも効率的な測定ができます。
モーターパラメーターLd, Lqを分析する場合、駆動電流の大きさと位相を正確にセンシングし、演算により算出します。正確な測定のために計測ツールは2つの要件を満たしている必要があります。
Ld, Lqの測定には、PWM制御によって大きく歪んだ電圧、およびそれによって生じる電流の波形を元に、それらの正確な基本波成分実効値と位相測定が必要です。これを実現するには、オシロスコープのような波形記録計ではなく、高分解能かつ高確度な波形補足性能と、専用の高調波解析機能を備えた専用器、すなわちパワーアナライザが必要になります。
モーターの制御エンジニアは、LdとLqの測定結果を制御プログラムに適用し、モーターの特性や効率の向上に寄与しているかを検証します。その際、パワーアナライザはモーターの回転速度とトルクによって変化する効率の測定結果と、モーターパラメーターLdとLqの測定結果を同時に検証でき、一度のデータ取得で包括的な評価を行うことが可能です。
LdとLqのデータを取得する前に、LdとLqの演算に必要な2つの定数(RとKe)を測定する必要があります。 以下の手順1~手順3で、その測定手順の概要を示します。
HIOKIのRM3548などの高精度抵抗計を使用して、モーターの三相巻線抵抗を測定します。これらの値を平均して、電気子抵抗Rを計算します。
電流センサーと電圧ケーブルを3相モーター駆動配線に接続して、モーター駆動電流、電圧およびローター角度を検出します。位相ゼロアジャストが必要なため、負荷モーターを使用してDUTモーターを駆動し、モーター誘起電圧を計測します。
パワーアナライザ PW8001で利用できるLd、Lq測定のためのPCソフトウェアを使用すると、LdとLq測定の手順に沿った設定フローに従うだけで、ユーザーはソフトウェア上ですべての操作を完了できます。
PW8001 Ld, Lq Analyzer
測定データの収集とモーターパラメーターの演算はすべて自動で行われます。より詳しく特性を把握するために、X-Yグラフを含むLdおよびLq値のリアルタイムグラフ作成と分析をPCソフトウェアが行います。
Ld, Lqのリアルタイムプロットグラフ
モーターパワーと効率のリアルタイムプロットグラフ
これらのテスト結果から、パワーアナライザ PW8001でモーターのLdとLqのデータ取得ができることが示されました。
この記事では、次のような質問に対する答えを示しました。
モーターの高度なベクトル制御(フィールド指向制御)は、さまざまな動作条件でのLdとLqを正確に特定し、性能向上を検証することにより実現されています。
HIOKIのパワーアナライザ PW8001は高精度な電力測定という基本的な役割だけでなく、モーターパラメーターの測定にも最適であることが示されています。計測ハードウェアだけでなく、設定作業とデータ取得を容易にし、直感的な分析を提供するソフトウェアを導入することで評価工数を削減し、開発期間短縮に貢献します。
ソフトウェア PW8001 Ld, Lq Analyzerはこちらからダウンロードできます。