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アプリケーション・用途
現在、電力と温度を高精度かつ同時に計測・解析するニーズが高まっています。例えば、電気自動車の電池開発では、セルの寿命を延ばし、エネルギー効率と安全性の最大化が求められます。最適なサーマルマネジメントを実現するためには、充放電サイクル中の温度変化や電力消費を正確に監視する必要があります。データセンターでは、サーバーの消費電力と冷却システムの効率を総合的に評価し、過熱を防ぎながら効率的な運用を実現するために、開発段階での詳細な測定が不可欠です。また、再生可能エネルギーシステムの設計においても、発電効率を最大化するために、温度と電力の変動を同時に監視することが求められます。このようにさまざまな分野において、システムの品質や信頼性向上を目的とした電力と温度の同時測定が不可欠となります。
従来の測定方法では、電力と温度を同時に測定する場合には電力計と温度ロガーの2台を使用しており、それぞれのデータを手作業で統合する必要がありました。これには時間と労力がかかり、さらに測定データが同期していないため、電力変動による温度変化を正確に捉えることが困難でした。また、複数の機器を運用することで、設備コストが増加し、設置スペースも多く必要となるというデメリットが存在しました。これらの課題を解決するために、電力と温度を1台の測定器で同時に高精度に測定できるソリューションを提供します。この統合測定により、データの一貫性が確保され、分析が容易になり、設備の簡素化とコスト削減が実現します。結果として、システムの品質と信頼性が向上し、より効率的な運用ができます。
Examples of Traditional Power and Temperature Measurement
Simultaneous Measurement Solution for Power and Temperature
電力と温度をリアルタイムに同時測定
拡張性と汎用性:3000ch 温度(熱電対)、120ch 電力
高精度電力測定:AC/DC ± (0.02% reading + 0.05% of range)
高電圧測定:DC 1500 V 確度保証
高速サンプリング:データ更新間隔 5 ms
豊富な電流センサ:クランプ型と貫通型、最大 AC/DC 2000 A 対応
電力と温度を1台で同時に測定可能なデータロガー「LR8101」および「LR8102」を使用した、インバーターモーターの実測例をご紹介します。今回は、インバーターモーター装置の入出力電力と、負荷抵抗の温度を同時に測定するケースを想定します。 インバーターモーター装置には、軽負荷(RL)および重負荷(RH)の負荷抵抗が接続されています。負荷切替スイッチを操作すると、選択された負荷抵抗が回路に接続され、電流が流れて抵抗が発熱します。このとき、負荷に応じてインバーターの出力電力が増加します。 インバーターの入出力電力の変化は、電力計測モジュール「M7103」を使用して測定し、モーター負荷抵抗の温度変化は、電圧・温度測定モジュール「M7100」を用いて測定します。データロガーの設定およびデータの取得には、無償提供されているソフトウェア「Logger Utility」を使用します。
Inverter motor measurement connection diagram
今回の実験では省略してありますが、Logger Utilityの波形演算機能を使うことで、インバーターの効率や損失、電力積算や損失積算などを数値化して表示することも可能です。電力や温度の変化と合わせて、効率や損失の変化をモニタできます。エネルギー損失は発熱に直結するため、エネルギーマネジメントの重要な測定要素です。
Logger Utilityでは電力と温度の時系列データや数値を同時に、かつリアルタイムで測定することができます。測定した時系列データは、Logger Utility上で自由に解析することが可能です。さらに、データロガーの本体やモジュールの設定も簡単に変更できます。
Logger Utilityで測定したデータは、CSVファイルとして出力することが可能です。必要な項目を選択し、CSVファイルに出力して詳細に解析できます。この例では、モーター負荷を変動させた際のインバーターの入出力電力変化とモーター負荷抵抗温度の測定項目を選択し、グラフ化しています。モーター負荷を増加させることで、インバーターの入出力電力が増加し、それに伴って負荷抵抗温度が上昇する現象を簡単に測定することができています。
Dynamic changes in inverter input/output power and load resistance temperature
本アプリケーションノートでは、電力と温度を高精度かつ同時に測定するニーズに応えるソリューションとして、データロガーLR8101およびLR8102の活用方法をご紹介しました。これらのデータロガーは、電力計測モジュールM7103と電圧・温度モジュールM7100を組み合わせることで、インバーターモーターの入出力電力と負荷抵抗温度の変化を高精度に測定できます。 従来の手法では別々の機器で測定し、データを手作業で統合する必要がありましたが、今回のソリューションにより、データの一貫性と同期が確保され、分析が容易になります。 このように、システムの品質と信頼性を向上させ、より効率的な運用を実現するための有効な手段として、本ソリューションをぜひご活用ください。
データロガー LR8101およびLR8102とM7103を組合せて、電力と温度を同時測定したサンプルデータは、こちらからダウンロードできます。