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テスターの機能と使い方

テスターの使い方をわかりやすく解説。電圧、電流、抵抗の測定原理から、安全なテスターの選びのための解説を掲載しています。テスターの機能と使い方を理解してテスター選びの参考にしてください。

01. テスターの機能と使い方

テスター各部の名称

ロータリースイッチの切換えで測定項目(交流電圧/直流電圧/導通チェック/抵抗/容量/電流・・)を切り替えて、用途に合わせて使用します。

測定項目によりテストリード(測定用ケーブル)を入れる端子が異なります。電流測定以外においてはテストリード赤を「V Ω」端子に、テストリード黒を「COM」端子に接続して使用します。

操作キーのキー操作により、直流+交流の電圧・電流を測定したり、温度測定やダイオードチェックなどの他の測定項目に切り替えたり、測定値をHOLDするなどのさらなる機能を使用することができます。

※ DT4282 の使い方例です。他の機種では仕様・設定が異なりますので製品仕様をご確認下さい。

テスターによる交流電圧測定方法

コンセントやブレーカの線間電圧を測定する、設備の電源電圧を確認する交流電圧測定の場合は、

1. ロータリースイッチ設定: 〜V (右図:1)

2. テストリードの接続端子: 黒(マイナス端子) = COM, 赤(プラス端子) = V Ω (右図:2)

3. テストリードとコンセントの接続:(右図:3)(交流実効値測定の場合は極性を気にする必要はありません)

注意:
A 端子には絶対に接続させないで下さい。誤った接続を防止するために、誤挿入防止シャッター機能付きモデルや、A端子のないモデルがあります。HIOKIのテスターは万が一誤って接続した場合は内部のヒューズで保護します。詳しくは各製品の製品仕様をご確認願います。
また測定する回路の電圧値がテスターの入力仕様以内であることを確認してください。

※ DT4282 の使い方例です。他の機種では仕様・設定が異なりますので製品仕様をご確認下さい。

テスターによる直流電圧測定方法

太陽光パネルの出力電圧や計装盤のDC24V、バッテリーの電圧を測定する直流電圧測定の場合は以下のように設定します。

1. ロータリースイッチ設定: :::V (右図:1)

2. テストリードの接続端子: 黒(マイナス端子) = COM, 赤(プラス端子) = V Ω (右図:2)

3. テストリードとDC電圧発生部との接続: 黒 = マイナス側, 赤 = プラス側 (右図:3)

注意:
A 端子には絶対に接続させないでください。誤った接続を防止するために、誤挿入防止シャッター機能付きモデルや、A端子のないモデルがあります。HIOKIのテスターは万が一誤って接続した場合は内部のヒューズで保護します。詳しくは各製品の製品仕様をご確認願います。
測定する回路の電圧値がテスターの入力仕様以内であることを確認してください。

※ DT4282 の使い方例です。他の機種では仕様・設定が異なりますので製品仕様をご確認下さい。

テスターによる導通チェック

電線の断線やワイヤーハーネスのケーブルチェックなどでは以下手順でテスターをセットします。

1. ロータリースイッチ設定: (右図:1)

2. テストリードのテスター接続端子: 黒(マイナス端子) = COM, 赤(プラス端子) = V Ω (右図:2)

3. テストリードと測定物の接続:(右図:3) (極性なし)

導通している場合は表示とブザー音
断線などで導通していない場合は表示なし、ブザー音なし

注意: 測定前に測定回路の電源を切ってください。

※ DT4282 の使い方例です。他の機種では仕様・設定が異なりますので製品仕様をご確認下さい。

テスターによるダイオードチェック

ダイオードの故障診断では以下手順でテスターをセットします。

1. ロータリースイッチ設定:(右図:1)

2. 操作キー設定: (右図:2)

3. テストリードの接続: 黒(マイナス端子) = COM, 赤(プラス端子) = V Ω (右図:3) 

4. テストリードとダイオードの接続: 黒 = カソード側 (帯状の印側), 赤 = アノード側(帯状の印がない側) (右図:4)

順方向の場合は ダイオードの順方向電圧値 を表示
逆方向の場合は OVER を表示

注意: 測定前に測定回路の電源を切ってください。

※ DT4282 の使い方例です。他の機種では仕様・設定が異なりますので製品仕様をご確認下さい。

テスターによる抵抗測定方法

抵抗測定においては以下手順でテスターをセットします。

1. ロータリースイッチ設定: (右図:1)

2. テストリードのテスター接続端子: 黒(マイナス端子) = COM, 赤(プラス端子) = V・Ω (右図:2)

3. テストリードと抵抗の接続:(右図:3)(極性なし)

注意: 測定前に測定回路の電源を切ってください。

※ DT4282 の使い方例です。他の機種では仕様・設定が異なりますので製品仕様をご確認下さい。

テスターによる温度測定方法

エアコンの吹き出し温度を測定するなどの温度測定においては以下手順でテスターをセットします。

1. ロータリースイッチ設定:(右図:1)

2. 操作キー設定: (右図:2)

3. テストリードの接続:(右図:3)K熱電対 DT4910 (オプション) ※ 他のK熱電対センサも使用可能です。

※ DT4282 の使い方例です。他の機種では仕様・設定が異なりますので製品仕様をご確認下さい。

テスターによる容量測定方法

コンデンサの容量測定においては以下手順でテスターをセットします。

1. ロータリースイッチ設定: (右図:1) 

2. テストリードのテスター接続端子: 黒(マイナス端子) = COM, 赤(プラス端子) = V Ω(右図:2)

3. テストリードのコンデンサ接続: 有極性コンデンサは、赤リードを +端子へ、黒リードを -端子へ接続します。(右図:3)

コンデンサ容量値表示:「F」「μF」「nF」「pF」

※ DT4282 の使い方例です。他の機種では仕様・設定が異なりますので製品仕様をご確認下さい。

テスターによる直流電流測定方法

直流回路の電流を測定する場合、以下手順でテスターをセットし接続します。接続は右図のように×印部分の結線を切って、負荷側と電源側との間にテスターを直列に接続します。

1. ロータリースイッチ設定:(右図:1)

2. 操作キー設定: (右図:2)

3. テストリードのテスター接続端子: 黒(マイナス端子) = COM, 赤(プラス端子) = A (右図:3)

4. テストリードの回路接続方法: 黒 = 電源のマイナス側, 赤 = 負荷側(電源, 負荷と直列接続になるよう)(右図:4)

注意: 測定前に測定回路の電源を切り、接続を行った後に電源を入れてください。電圧を印加しないよう(電源に平行に接続しないよう)注意願います。テスターが測定可能な電流最大値を確認し、その値以上流れない回路で測定してください。

※ DT4282 の使い方例です。他の機種では仕様・設定が異なりますので製品仕様をご確認下さい。

テスターによる直流電流測定(4-20mA)

直流回路の電流を測定する場合、以下手順でテスターをセットし接続します。接続は右図のように×印部分の結線を切って、負荷側と電源側との間にテスターを直列に接続します。

1. ロータリースイッチ設定:(右図:1)

2. 操作キー設定: (右図:2)

3. テストリードのテスター接続端子: 黒(マイナス端子) = COM, 赤(プラス端子) = μA mA (右図:3)

4. テストリードの回路接続方法: 黒 = センサ側, 赤 = 電源側(ディストリビュータ側)(右図:4)

注意: 測定前に測定回路の電源を切り、接続を行った後に電源を入れてください。電圧を印加しないよう(電源に平行に接続しないよう)注意願います。テスターが測定可能な電流最大値を確認し、その値以上流れない回路で測定してください。

※ DT4282 の使い方例です。他の機種では仕様・設定が異なりますので製品仕様をご確認下さい。

テスターとクランプセンサによる交流電流測定

クランプセンサを使ってテスターで交流回路の電流を測定する場合、以下手順でテスターをセットし、クランプセンサを電線にクランプし測定します。

1. ロータリースイッチ設定:(右図:1)

2. 操作キー設定: (右図:2)

3. 変換アダプタとクランプセンサの接続:(右図:3)
  変換アダプタのテスター接続端子: 黒(マイナス端子) = COM, 赤(プラス端子) = V・Ω

4. クランプセンサの電流レンジ決定:(右図:4)

5. テスターのレンジ設定合わせ:(右図:5 クランプセンサのレンジにあうようRANGEキーで設定します)

6. クランプセンサの接続:(右図:6)

注意: 測定中にクランプセンサのレンジ変更をした場合は、テスターのレンジも変更が必要です。

※ DT4282 の使い方例です。他の機種では仕様・設定が異なりますので製品仕様をご確認下さい。
※ 変換アダプタは9704を使用します。
※ クランプセンサは9010-50, 9018-50, 9132-50が使用できます。

テスターの便利な機能 AUTO HOLD機能・レコーディング機能・相対値機能

AUTO HOLD機能:
テストリードをあてた後、自動で測定値の更新を止め、測定値を手書き記録した後、違う測定ポイントにテストリードをあてると自動で測定値を更新の後、再度更新を止める機能です。(HOLDキーを1秒以上押す)


レコーディング機能:
測定中に更新された測定値の中の、最大値と最小値を記録する機能です。(MAX/MINキーを押す)


相対値機能:
基準とする値の変化値を計測する機能です。(MAX/MINキーを1秒以上押す)


※ DT4282 の使い方例です。他の機種では仕様・設定が異なりますので製品仕様をご確認下さい。

テスターの機能: ゼロアジャスト

電圧・電流・抵抗の場合:

1. ロータリースイッチ設定: ゼロアジャストしたいファンクションに設定(右図:1)

2. テストリードの接続端子:(右図:2)
電流測定以外は 黒(マイナス端子) = COM, 赤(プラス端子) = V Ω
電流測定では  黒(マイナス端子) = COM, 赤(プラス端子) = A, もしくは μAmA

3. テストリードの状態: 短絡する(右図:3)

4. ゼロアジャストの実行: MAX/MINキーを1秒以上押します。(右図:4)

コンデンサ(コンダクタンス)の場合:

1. ロータリースイッチ設定:(右図:1)

2. テストリードの接続端子: 黒(マイナス端子) = COM, 赤(プラス端子) = V Ω (右図:2)

3. テストリードの状態: 開放する(右図:3)

4. ゼロアジャストの実行: MAX/MINキーを1秒以上押します。(右図:4)

※ DT4282 の使い方例です。他の機種では仕様・設定が異なりますので製品仕様をご確認下さい。

02. テスターの測定原理

テスターの直流電圧測定原理

直流電圧測定回路は、分圧器と、A/D変換器によって構成されます。分圧器により、入力電圧をA/D変換器に入力できる電圧範囲まで減衰し、A/D変換器で測定します。


テスターの交流電圧測定原理

交流電圧測定回路は、分圧器、整流回路、A/D変換器によって構成されます。
整流回路によって、交流電圧を整流・平滑化し、直流電圧に変換します。この電圧をA/D変換器で測定します。
一般的に、平均値タイプのテスタでは、測定結果を1.1倍し、正弦波交流の平均値を実効値に換算した値を表示しています。したがって、正弦波以外の交流信号では、正しい値を表示しません。
真の実効値(True RMS)タイプのテスタは、整流回路の代わりに、RMS-DC変換回路あるいは演算回路が実装されています。これにより、正弦波以外の交流信号でも、正しい実効値を得ることができます。

テスターの電流測定原理

電流測定回路は、シャント抵抗、ゲイン切り替え回路、A/D変換器によって構成されます。
シャント抵抗によって、電流信号を電圧信号に変換し、ゲイン切り替え回路で適切な電圧に増幅し、A/D変換器で測定します。
シャント抵抗は、テスタの電流レンジの設定に応じて切り替わります。一般的に、μAレンジでは100Ω、mAレンジでは1Ω、Aレンジでは10mΩ程度のシャント抵抗となります。

テスターの抵抗測定原理

電流発生回路より、測定対象の抵抗に、既知の電流Isを印加します。
このとき、測定対象の両端に表れる電圧Vxを直流電圧測定回路で測定し、Rx=Vx/Isより、測定対象の抵抗値Rxを算出します。

※ テスターの「製品一覧」は、こちらを参照願います。

テスターのダイオード測定原理

電流発生回路より、測定対象のダイオードに電流を印加して、その両端に表れる電圧を測定します。
ダイオードが順方向に接続された場合は、順方向電圧Vfが測定されます。

テスターの静電容量測定原理

電流発生回路より、測定対象のコンデンサに、既知の電流Isを印加します。
タイマにより、コンデンサの端子間電圧が、ある基準電圧値Vcに達するまでに時間Tcを測定します。
Cx=Is×Tc/Vcより、測定対象のコンデンサの静電容量Cxを算出します。
この方式は、測定対象のコンデンサに直流電流を流すため、漏れ電流の大きいコンデンサ(使い古した電界コンデンサなど)や、回路に組み込まれたコンデンサ(並列に抵抗が接続された状態)では正しく測定することができません。

テスターの周波数測定原理

測定信号の繰り返しの数をカウンタで数え、1秒間あたりの繰り返し数を表示します。

03. テスターの正しい使い方と安全なテスター選び

インパルス電圧による過電圧事故

電磁弁の開閉による過電圧発生波形が右図になります。この例ではAC100Vラインに1000V近いインパルス電圧が発生している状況が分かります。 このようなインパルス電圧は誘導負荷の多い工場や、テスター使用場所付近で雷が落ちた場合には起こりうる事象です。

※ テスターの「製品一覧」は、こちらを参照願います。

測定カテゴリ

テスターの安全性に関わる国際規格 IEC61010-1 では、右図のように測定カテゴリを分け、そのカテゴリごとに耐力が認められるテスターなどの測定器を下記のように表します。
(HIOKI 製品では以下のような表記をカタログやホームページで行っています) 

カードハイテスタ 3244-60: CAT III 300V, CAT II 600V
デジタルマルチメータ DT4256: CAT IV 600V, CAT III 1000V

それぞれの使用場所(CAT IV / CAT III / CAT II)と対地間電圧(電路電圧)から、発生が想定されるインパルス電圧値(右表)に十分耐力があることが条件になります。

例えば CAT II 300V のテスターは、カテゴリ CAT II において、対地間電圧 300V ゆえ、2500Vのインパルス電圧に耐えうることを求められています。 

前述したインパルス電圧の発生が十分に考えられる工業ラインなどでは測定場所(=カテゴリ)に合わせた、できるだけ測定カテゴリの高い仕様のテスターを選定することが良いと言えます。

以下、各測定カテゴリの詳細です。

カテゴリ II :
コンセントに接続する機器の電源プラグから機器の電源回路まで

カテゴリ III :
分電盤から電力を直接取り込む機器(固定設備など)の電源配線と電源回路、および分電盤からコンセントまでの電路

カテゴリ IV : 
建造物への引き込み電路、引込口から電力量メーターおよび分電盤までの電路

電流測定回路への電圧入力

テスターによる電流測定ではテスターを測定回路に直列に接続して使用します。またテスターを接続したことによる計器損失(抵抗)を少なくするため、テスターの電流測定回路のインピーダンスは低く設計されています。

よって誤って回路の電源に対して並列に接続すると、電源電圧がそのままかかることにより過電流が流れ、計器を焼損します。

計器の焼損を防ぐため、ほとんどのテスターにおいては保護ヒューズが使われています。また製品によっては電流端子(A 端子)のないモデルや、ロータリースイッチに連動してテストリードを接続する端子を間違えないような構造を持つモデルもあります。

※ テスターの「製品一覧」は、こちらを参照願います。

抵抗測定回路への電圧入力

テスターの抵抗測定回路は入力インピーダンスが小さいので、テストリードの両端に電圧をかけてしまうとテスター内部が過電流による焼損により短絡して、さらに分電盤をも焼損する結果をまねいてしまいます。
 
HIOKIのテスターは過電流保護回路が内蔵されており電圧入力による過電流を最小限に抑え、テスターは1分間までの過電圧に耐える設計になっています。

※ テスターの「製品一覧」は、こちらを参照願います。

テストリード先端の短絡事故

テストリードの先の金属部分が長いと電圧測定時に短絡事故を起こす可能性があります。

すべての HIOKI テスター は金属露出部分を短くできるキャップ付構造のテストリードです。

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