高圧の太陽光発電設備の電圧点検にCAT III の測定器が必要な理由
概要
発電効率の向上とランニングコスト削減を目的に太陽光発電システムが高圧化しています。太陽光発電設備の動作確認および点検には電圧の測定が不可欠です。高い電圧を安全に測定するために、測定カテゴリ(CAT)が重要です。高圧化する発電システムに適した、「測定カテゴリ(CAT)」と「測定器」について説明します。
よくある質問
質問:
CAT III 1000 V の測定器で1300 V の太陽光発電設備を安全に測定したいです。可能でしょうか?
回答:
可能です。このような場合は、直流高電圧プローブP2010を使用することで可能になります。
説明
直流高電圧プローブ P2010 の特長
1. 測定器への入力電圧を1/10 にできます。
1300 V 測定時のP2010 の出力は130 V となるため、CAT III 1000 V の測定器でも測定が可能です。
極端な例ですと、接続する測定器にカテゴリーなし200 V のものを使用しても1300 V の太陽光パネルが測定できます。
2. 接続する測定器を守ります。
太陽光発電設備の測定カテゴリーに関して、「系統連系されていないものはカテゴリーなし」、「系統連系されているものはCAT III以上」の測定器の使用が推奨されています。「CAT III以上の測定器を使用していれば安全なのか」というとそうではありません。
太陽光パネルの測定においては、系統連系されていない状態でもサージ電圧 (瞬間的な高電圧)が発生する状況が多く存在します。 例えば、 ブレーカのON/OFFや、電圧がある状態でのケーブル接続などです。測定器はサージ電圧に対し、保護回路を搭載しています。しかし、度重なるサージ電圧の入力によって保護回路が損傷すると、測定器が故障するおそれがあります。
P2010 を接続した測定器の場合
P2010 を介することで、測定器にかかるサージ電圧が小さくなります。サージ電圧によるダメージを受けにくく、測定器の破損を回避できます。また、より安全に電圧を測定できます。
まとめ
現場測定器は直接手に持って使用することが多い測定器です。安全性を向上させるためにもP2010の使用をおすすめします。
DT4261など『DC HIGH V PROBEモード』を搭載した測定器は、P2010との接続を想定し設計されています。双方の親和性が高く、測定誤差の少ない正確な測定が可能です。また、実際の1/10となったP2010の出力値を、換算機能によって実際の値に換算し直して表示できます。P2010で測定器に印加されるサージ電圧を十分に小さくすることで保護回路の損傷を防ぎます。接続測定器もお買い求めの際は『DC HIGH V PROBEモード』搭載測定器をご検討ください。
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