アプリケーション・用途

0.1%の効率改善に取り組むインバーター/モーター開発者の皆様へ

エネルギー効率の向上は、持続可能な社会を実現するための重要な課題です。インバーターやモーターは、産業、交通、家庭など、あらゆる分野で欠かせない技術として、重要な役割を果たしています。その性能を最大限に引き出し、エネルギー変換ロスを削減するには、より高精度な計測、正確な課題把握、そして測定データを活用した開発が不可欠です。ここでは、変換効率改善に取り組む業界トップユーザーが抱える課題を掘り下げ、それらを解決するためのHIOKI 高精度パワーアナライザーを活用したソリューションをご紹介します。

業界トップユーザーが抱える課題

シミュレーションと実測値に差

01. 手戻りリスクの発生
誤った合否判定による手戻りが発生してしまうため、シミュレーションモデルに基づいた開発に移行できない。

測定値のばらつきが大きい

02. 評価効率低下
ばらつきを抑えるためには長時間のデータの平均化が必要となる。
しかし、この間にモーター温度が上昇するため、膨大な冷却時間が必要に。

場所や日を変えると結果が違う

03. 手戻りリスクの発生
評価データの再現性がないため、何が正しい値なのかわからない。
そのため、設計改善効果を正しく判断できない。

その原因は?
インバーター電圧電流波形を見てみると



インバーターの出力電力には、モーターを駆動する基本周波数成分とその高調波(青色箇所)と、インバーターのスイッチング周波数とその高調波(赤色箇所)が含まれています。基本波とその高調波成分は数kHz程度の低周波数帯のため、一般的な電力計と電流センサーであれば比較的正確に測定することが可能です。しかし、スイッチング周波数とその高調波成分は数十kHz~数MHzの高周波帯かつ低力率となるため、広帯域に加え位相まで高精度に測定できる電力計と電流センサーが必要です。インバーター開発では高周波電力の正確な測定がカギとなります。


注目 ‼ HIOKI が提供するソリューション

パワーアナライザーと電流センサーの開発を手掛けるHIOKI だからこそ提供できる価値
HIOKI のパワーアナライザーは、専用電流センサーをラインナップし、共に自社開発だからこそ本体と電流センサーとのマッチングを考慮した設計により高精度測定ができます。インバーターの効率改善の追求には、高周波電力を高精度に測定する必要があり、特性を把握した位相補正により正確性、再現性など、安定した測定を実現します。


パワーアナライザ PW8001
基本確度: 0.03 % (50/60 Hz)
帯域 : DC~5 MHz
・電流センサー自動位相補正機能
・0.001° 分解能で位相補正


貫通型&クランプ型電流センサー
定格:2 A ~ 2000 A
帯域:DC~10 MHz
・導体位置の影響を最小化
・高いCMRR で耐ノイズ性強化

解説  PW8001 がインバーター高周波電力の正確な測定を実現できる3つの理由

位相誤差の比較

01. 正確性
一般的なパワーアナライザー、電流センサー
高周波で大きな位相誤差を有するため、スイッチング成分が正確に測定できない。
HIOKIのPW8001、電流センサー
専用電流センサーを自社開発しているため、各電流センサーの特性を把握した高精度位相補正を実現できる。


エイリアシングの影響

02. 安定性
一般的なパワーアナライザー、電流センサー
帯域(BW)に対し十分なサンプリング(Fs)を有しておらずエイリアシング誤差が生じる。
HIOKIのPW8001、電流センサー
15 MHzの高速A/Dコンバーターを採用することで、5 MHzの広帯域測定とエイリアシングの防止を両立している。


導体位置の影響(100 kHz)

03. 繰り返し再現性
一般的なパワーアナライザー、電流センサー
高周波を測定すると導体の位置によって測定値が変動してしまう。
HIOKIのPW8001、電流センサー
独自のコイル・シールド構造を採用することで、導体位置に影響されない測定を実現している。



SiC インバーター実測比較結果

結線構成図

測定条件
スイッチング周波数:50 kHz
モーター回転数  :1000 rpm
結線:3 相3 線



■より詳しい情報はこちらから

位相補正の有用性(技術資料)
https://www.hioki.co.jp/file/cmw/hdTechnicalData/451/attached_file/?
action=browser&log=0&lang=jp&nr=t

PW8001 製品紹介動画
https://www.youtube.com/watch?v=jZ_CvWd8nPo

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