デュアルモーターAWD の性能評価
市場の動き
近年、EV の駆動システムとして「デュアルモーターAWD(オール・ホイール・ドライブ)」が注目を集めています。デュアルモーターAWD は、1 つの車体に「フロントモーター」と「リヤモーター」2つのモーターを搭載し、全輪駆動(AWD)によって走行します。フロントモーターが前輪、リヤモーターが後輪の駆動力となり、これまでにない加速を実現します。また、フロントとリヤの機械的な接続による制約がなくなり、路面状況に応じて駆動力をフロント、リヤへ柔軟に配分でき、高い操縦性とエネルギーロスの低減を実現します。
課題
デュアルモーターAWD では、フロントとリアの連動が重要です。性能評価では、「フロントとリヤのモーターパワー」、「各モーターに付随するインバーターへの電力入出力」を全て同じ時系列で測定し、電力の変換効率と損失を算出します。しかし、測定チャネル数が不足する場合、複数台の測定器を使用します。しかし、この場合、測定結果を後から結合する必要があり、解析に手間を要し、測定の再現性が損なわれます。
解決策
パワーアナライザPW8001 は、1 台で8 ch の電力と2 つのモーターパワー(2 系統のトルクと2 系統のエンコーダ出力)を同時に測定できます。デュアルモーターAWD の性能を効率的かつ高い再現性で測定できます。
電力測定時に重要な電流センサーの「位相補正」
測定精度が重要となる電力測定では、「位相」の確度が規定された電流センサーの選択が必要です。また、電流センサーは、高周波になるほど位相誤差が大きくなる特性を持ちます。その為、測定器では、電流センサーの位相特性を補正し、電力を測定します。PW8001 は、電流センサーを接続するだけで、センサーを識別、位相特性を補正し、自動で正確に電力を測定します。(※自動位相補正機能に対応した電流センサーを接続した場合のみ)
実測データ
パワーアナライザPW8001-11(モーター解析機能付き)と電流センサーを使用して、フロントとリア2 つのモーターパワーと各モーターに付随する2つのインバーターへの電力入出力を測定し、それぞれの電力変換効率と損失を測定しました。
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