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電流センサの原理と技術情報

電流センサの原理を解説。CT方式、ホール素子方式、ロゴスキー方式、ゼロフラックス方式など方式の違いの理解から用途に合った電流センサを選定してください。

00. 電流センサの動作原理別分類

電流センサの動作原理別分類一覧

このページでは、電流センサの動作原理・測定原理を解説します。


電流センサの動作原理別分類表

01. 電流センサの測定原理

CT方式電流センサの測定原理(AC専用)

CT方式電流センサとは、測定電流を巻線比に応じた2次電流に変換する原理を採用しています。

測定原理:
■ 1次側の測定電流の交流(AC)により、測定電流による磁束(Φ)が磁気コアに誘導され、2次電流による磁束(Φ’)は、2次巻線(N)に、この1次磁束を打ち消すように誘導されます。 この2次電流は、磁束(Φ’)に比例して誘導されます。
■ この2次電流はシャント抵抗に流れ、シャント抵抗両端の電圧が発生します。この電圧は測定導体に流れている電流に比例した出力になります。

他方式に比べての特長:
■ 電源が不要です(電流検出部)。
■ 安価です。
■ 交流のみ測定可能です(直流は測定できません)。
■ ビルの省エネ管理などで使うクランプ電力計などで使われています。

該当電流センサ(形名):
CT7126, CT7131, CT7136, CT7116, 9694, 9660, 9661, 9669, 9675, 9657-10, 9661-01, 9695-02, 9695-03, 9010-50, 9132-50, 9018-50  など
※ 詳しい仕様は各製品ページでご確認いただけます。

AC/DCホール素子方式電流センサの測定原理

ホール素子方式電流センサとは、測定電流の周りに生じる磁界をホール効果を利用して電圧に変換する原理を採用しています。

測定原理:
■ 測定導体(1次側)に流れる電流による磁気コア内に発生した磁束Φが磁気コアのギャップ部に挿入したホール素子を通過することで、ホール効果により磁束に応じてホール電圧が現れます。
■ このホール電圧は小さいため、AMPで増幅して出力します。
■ この出力信号は測定導体に流れている電流に比例した出力になります。

他方式に比べての特長:
■ 直流から交流(数kHz)まで測定可能です。
■ 安価です。
■ ホール素子の直線性、磁気コアのB-H特性の影響により、一般的に精度は良くありません。
■ ホール素子の特性により、温度や経時変化などの要因でドリフトするので、長期の測定に向いていません。

該当電流センサ(形名):
CT7636, CT7631, CT7642, CT7731, CT7736, CT7742 など
※ 上記製品はドリフトと精度を改良しています
※ 詳しい仕様は各製品ページでご確認いただけます。

ロゴスキーコイル方式電流センサの測定原理(AC専用)

ロゴスキーコイル方式電流センサとは、測定電流の周りに生じる交流磁界により空芯コイルに誘起される電圧を変換して測定します。

測定原理:
■ 測定導体(1次側)に流れる交流電流による磁界が空芯コイルと鎖交することで空芯コイルに誘起電圧が発生します。
■ この誘起電圧は測定電流の時間微分値(di/dt)として出力され、積分器を通すことによって測定電流に比例した出力信号が得られます。

他方式に比べての特長:
■ 磁気コアが無いため、磁気飽和せずに大電流を測定可能です。
■ 磁気損失による発熱、飽和、ヒステリシスがありません。
■ センサ部が空芯コイルのためフレキシブルで細くできます。
■ インピーダンスが小さいです。
■ 安価です。
■ 交流のみで直流は測定できません。
■ ノイズの影響を受けやすく、高精度測定には向いていません。

該当電流センサ(形名):
CT7046, CT7045, CT7044, CT9667-01, CT9667-02, CT9667-03 など
※ 上記製品はノイズに強い改良をしています
※ 詳しい仕様は各製品ページでご確認いただけます。

ACゼロフラックス方式(巻線検出型)電流センサの測定原理

ACゼロフラックス方式(巻線検出型)電流センサとは、CT方式の低周波域の特性を改善したものになります。

測定原理:
■ ゼロフラックス方式では、測定導体に流れるAC電流により磁気コアで発生する磁束(Φ)を打ち消すように、帰還巻線に2次電流が流れ、2次電流による磁束(Φ‘)が誘導されます。
■ しかし、低周波領域では、磁束(Φ-Φ’)をキャンセルできないため、磁気回路内に残ります。
■ 検出巻線は、この残留磁束(Φ-Φ’)を検出し、続いて、低Hz領域の磁束(Φ-Φ’)を打ち消すように、アンプ回路に2次帰還電流が加算されます。
■ この2次電流がシャント抵抗に流れ、端子間に電圧を生成します。
■ 電圧は、測定対象の導体に流れる電流に比例するものとして識別され、真の電流レベルが得られます。

他方式に比べての特長:
■ 磁気コア内の磁束を打ち消す負帰還動作のため、磁気コアのB-H特性の影響を受けず直線性に優れます。
■ 低周波でも位相誤差が小さいため電力測定に向いています。
■ 低周波領域ではAMP動作、高周波領域ではCT動作し、周波数帯域が広いです。
■ 交流のみで直流は測定できません。

該当電流センサ(形名):
9272-10, 9272-05 など
※ 詳しい仕様は各製品ページでご確認いただけます。

AC/DCゼロフラックス方式(ホール素子検出型)電流センサの測定原理

AC/DCゼロフラックス方式(ホール素子検出型)電流センサとは、CT方式とホール素子を組み合わせることで直流電流から測定できるようにしています。

測定原理:
■ ゼロフラックス方式では、測定導体に流れるAC電流により磁気コアで発生する磁束(Φ)を打ち消すように、帰還巻線に2次電流が流れ、2次電流による磁束(Φ‘)が誘導されます。
■ しかし、低周波領域では、磁束(Φ-Φ’)をキャンセルできないため、磁気回路内に残ります。
■ ホール素子は、この残留磁束(Φ-Φ’)を検出し、続いて、低Hz領域の磁束(Φ-Φ’)を打ち消すように、アンプ回路に2次帰還電流が加算されます。
■ この2次電流がシャント抵抗に流れ、端子間に電圧を生成します。
■ 電圧は、測定対象の導体に流れる電流に比例するものとして識別され、真の電流レベルが得られます。

他の方式に比べての特長:
■ 電流センサは、磁気コアの磁束を相殺するように動作し、磁気コアのB-H磁気特性の影響を受けない優れた直線性を実現します。
■ 高周波数領域で2次電流用の帰還巻線を使用して動作し、低周波数領域でアンプを使用するため、高いS/Nで広い周波数帯域幅が実現できます。
■ 直流と交流のいずれも測定可能です。
■ 励起電流ノイズがないため、全体のノイズは非常に小さいです。

該当電流センサ(形名):
3273-50, 3274, 3275, 3276, CT6700, CT6701, CT6710, CT6711 など
※ 詳しい仕様は各製品ページでご確認いただけます。

AC/DCゼロフラックス方式(フラックスゲート検出型)電流センサの測定原理

AC/DCゼロフラックス方式(フラックスゲート検出型)電流センサとは、CT方式とFG素子(フラックスゲート)を組み合わせることで、直流電流から測定できるようにしています。

測定原理:
■ ゼロフラックス方式では、測定導体に流れるAC電流により磁気コアで発生する磁束(Φ)を打ち消すように、帰還巻線に2次電流が流れ、2次電流による磁束(Φ‘)が誘導されます。
■ しかし、低周波領域では、磁束(Φ-Φ’)をキャンセルできないため、磁気回路内に残ります。
■ フラックスゲートは、この残留磁束(Φ-Φ’)を検出し、続いて、低Hz領域の磁束(Φ-Φ’)を打ち消すように、アンプ回路に2次帰還電流が加算されます。
■ この2次電流がシャント抵抗に流れ、端子間に電圧を生成します。
■ 電圧は、測定対象の導体に流れる電流に比例するものとして識別され、真の電流レベルが得られます。

他方式に比べての特長:
■ 電流センサは、磁気コアの磁束を相殺するように動作し、磁気コアのB-H磁気特性の影響を受けない優れた直線性を実現します。
■ フラックスゲートは、広い温度範囲で非常に小さなオフセットドリフトを示すため、非常に正確で安定した測定を実現でき、高精度電力計との組み合わせ使用に最適です。
■ 励起電流の周波数と高調波自体がノイズの原因となるため、フラックスゲートを使用した電流センサは、ホール素子を使用した電流センサよりもわずかにノイズが大きいです。
■ 高周波領域では、2次帰還巻線のCTを使用して動作し、DCおよび低周波領域用のアンプを通して高いS/Nを実現します。

該当電流センサ(形名):
CT6841, CT6843, CT6844, CT6845, CT6846, CT6862, CT6863, CT6865, 9709, CT6904, CT6875, CT6876, CT6877 など
※ 詳しい仕様は各製品ページでご確認いただけます。

ゼロフラックス方式とは

※ここではホール素子を用いた場合の説明をします。

  1. 測定導体に流れる電流によって磁気コア内部に磁束(Φ)が発生。
  2. 磁気コア内部で発生する磁束を打ち消すために、 2次側の帰還巻線に2次電流が流れる。(帰還巻線の磁束はΦ’)
  3. ただし、DC電流からの低周波領域では、磁束をキャンセルできないため、磁気回路内に残る。(残留磁束はΦ-Φ’)
  4. ホール素子はこの残留磁束(Φ-Φ’)を検出し、磁束(Φ-Φ’)を相殺するように、アンプ回路を介して2次帰還電流に加算される。
  5. 2次電流がコイルを通り、シャント抵抗(r)に流れ、この電流は、CT電流(コイルによって生成される電流)とアンプ(ホール素子検出からのフィードバック電流)の合計。この結果、端子間に電圧が生成する。出力電圧は、測定電流に比例する。


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